2018年頃からパーソナルジムブームに火がつき、2024年となる今ではどこの駅にも必ず3店舗以上はあるといった雨後の筍状態です。
今回は、2019年12月から東京神楽坂、江戸川橋を拠点にパーソナルジムを運営しているパーソナルジムGAIN代表の上地裕作が、多くのパーソナルトレーナーが思っている不都合な真実を公開していきたいと思います。
パーソナルトレーナーは多くの人にとって健康や美容の達成に不可欠な存在です。しかし、一般の人々にはあまり知られていない、トレーナー自身が公には言いにくい事実も存在します。この記事では、そういった不都合な真実を探求し、一般の理解を深めることを目的としています。
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上地 裕作
- 神楽坂 江戸川橋パーソナルジムGAIN 代表
- JBBF 2018関東メンズフィジーク選手権 準優勝
- ベストボディ・ジャパン2017東京オープン大会 ミドルクラス グランプリ受賞
- 得意分野 ボディメイク、ダイエット
お客様の意識をコントロールできない葛藤
パーソナルトレーナーをやっていると、とにかく様々な方がいらっしゃいます。
やる気に満ちた方から、結果を急いですぐに辞めてしまう方まで….
実はお客様の意識をなかなかコントロールできないことに悩むトレーナーは多いです。
結果が出るか否かは、トレーナーではなくお客様次第
こんなこというと“じゃパーソナルトレーニングってなんなの?”と言われてしまいそうですが、残念ながら多くのトレーナーはこの事実を確信しています。
もちろん、トレーナーの仕事として“クライアントのやる気を出させる”ことも大切な仕事ではありますが、実際はクライアントも社会を忙しく生きる人間です。よくある誤解として、パーソナルトレーニングの料金が高いからといって、その効果も高いだろうと考える人がいます。しかし、結局のところ、成功はクライアント自身の努力に大きく依存します。トレーナーは指導することができますが、その指導に従い、継続的に努力するかどうかはクライアント次第だからですね。
トレーニングを生活の中心における人は限られていますし、初めは理想を掲げるものの、実際にサボり癖がついてほとんど来なくなってしまうケースも少なくありません。
定期的に来館が難しいお客様の身体を変えることは正直難しいですし、身体を変える覚悟がない方にどんな指導をしても、大きな変化は望めないのです。
健康維持が目的だったり、やる気に満ち溢れた人であればパーソナルジムは絶対的にオススメできるのですが、誇張された広告の影響もあって“来れば痩せるんでしょ”“数ヶ月で10キロ落とせるんでしょ”という感覚の人が多いのも困りものですねといった悩みも多かれ少なかれ耳にします。
しっかりと結果を出すためには、言い訳をせず定期的にジムへ来ることに尽きます。そのような方へは、トレーナーは全力で指導したいと思っています。
短期集中で入会されるお客様からのクレームが怖い
これはトレーナーあるあるです。そもそも、自分でちゃんと筋トレをしているトレーナーなら、3ヶ月程度でまともな身体を作ることなど無茶苦茶な要求だとわかっています。
多くのパーソナルジムが短期集中というコースを作る理由は、ジム側から見て“予算がない層”からの入会もさせたいからですが、プロのトレーナーからすれば失笑レベルで言語道断。
短期間でクライアントに痩せましたね!と納得させるには、過度な糖質抜きダイエットをさせるしか方法はありません。
筋トレ初心者に糖質抜きを強制し、メンタルもやられてエネルギー不足の中、トレーニングを行う意味ってあるの?….ほぼありません。
カロリー不足で確かに脂肪は落ちていきますが、同時に筋肉も衰えて代謝は悪化のバンドウォークに突入します。
やがて、ジムを辞めて糖質を食べ始めたら1週間でほら元通り。
巷によくある短期集中コースは、筋トレと呼べる代物ではなく食事制限による誤魔化しだとトレーナーは皆わかっています。
わかっていても薦めなければいけないのはパーソナルジムの闇とも言えるでしょう。
もちろん、筋トレが好きで習慣化している方が試しに短期集中でパーソナルを受けるのは非常に良い選択だと思いますが、肥満体質からの脱却!を試みているのであれば、短期集中コースは絶対にやめるべきでしょう。
切実な願い オープンジムと併用して欲しい
特にマンションの一室で行うような個人経営系のジムですと、ネット集客にかけた資金を回収するためにはお客様に長く継続してもらう必要があります。
パーソナルジムに来られる筋トレ初心者の方は、予算の関係上週一プランで入会を考える人が多いですが、それなら24時間ジム(GAINでいえば上記写真のプライベートジム)も併用してほしいと切実に考えます。
というのも、トレーナーの誰もが週一回の筋トレで大きく身体を変えるのは困難を極めると知っているからです。
少なくとも週2回、理想でいえば3〜4回運動する日を設けてもらえれば、パーソナルセッションのパフォーマンスもアップし、パーソナルの素晴らしさが理解できるんですね。
ボディメイクを実りある結果へと導くには、相応の努力と痛みを伴うと思って欲しい、これがトレーナーの本音です。
過度なマーケティングとプロモーション
多くのトレーナーやジムは、自分たちのサービスを売るために過度なマーケティングやプロモーションを行いがちです。ジムに来れば絶対痩せる!理想の体が手に入る!などなど。これによって、消費者は現実的でない期待値を持つことがあります。あくまでもクライアントの努力が全てであり、パーソナルトレーナーはその努力を100%引き出すために存在します。
サプリメントとプロテインの過信
サプリメントやプロテインは、トレーニング効果を高めるための補助的な手段であり、決して主役ではありません。これに過度な依存をすると、必要な栄養素を食事から摂取しなくなる可能性があります。あくまでも適切な食事、トレーニング、休息がメインであることを忘れてしまうクライアントも少なくありません。
食事制限の強制指導はぶっちゃけストレス
ボディメイク、とりわけ脂肪を落とすためのアプローチで最も大切なのは食事制限です。
筋トレも脂肪を落とす間接的なアプローチにはなりますが、食事の質に気をつけたり、量に注意を配ることの方が大切といえます。
ただ、トレーナーとして食事制限の強制指導ほど嫌なものはありません。
なぜかと言えば、クライアントも食事制限は嫌ですし、トレーナーから言われる度にストレスになり、お互いの関係性を損なってしまうからです。
トレーナーはあくまでも“頑張る貴方を全力でサポート”するのがお仕事であり、鞭を打って監視するのが仕事ではないからですね。
また仮に食事強制指導を行なっても、クライアントが裏でケーキを食べていたら無に帰します。(ほとんどの人がある程度の誘惑に負けるのも知っていますが)
体重ベースで一向に落ちない⇨裏で食べている
これはトレーナーの中では常識ですが、“食べてますよね!?なんで食べたんですか!?”なんて言えないですから、本当にストレスだと言うトレーナーが多いです。
真剣にボディメイクする人は、言われなくても食事制限を自主的に行いますし、トレーナーがアドバイスや助言をするくらいの関係がベストなんじゃないかなと思います。
つまり、巷に溢れている短期集中コースはトレーナーもストレスを溜めてしまうんですね。
パーソナルジムに通って身体が大きく変わる人は会員全体の何%ですか?
これはよくパーソナルの体験セッション時に聞かれます。
他のジムのトレーナーともこの手の話をよくしますが、だいたい20%程度でしょう。
え!!??と思われるかもしれませんが、冒頭にも述べたように結果はクライアントのやる気に左右されます。
健康維持が目的で通われている方も少なくないですし、ボディメイクを目的に入会された方だけで考えても50%に届くかな?くらいでしょう。
この数字からもわかるように、決して安くはない会費をお支払いいただくわけですから、無駄にせず結果を手に入れるために運動を習慣化して欲しいですね。
筋トレ初心者こそ最初にがっつりセッションをやるべき
多くのトレーナーが思っていても言えないのがこのひと言なのです。
何度も申し上げている通り、ボディメイクを成功させる人は例外なく筋トレが習慣化しています。
それであれば、はじめから習慣化を目的として全力疾走するのが正しい方法なのですが、なぜか“週一回でゆっくり始めましょうか”と薦めてしまう。
金額的に薦めやすいからという理由もありますが、お財布が許すなら最初の3ヶ月こそがっつり週3をやり込んだ方が成功率はグンと上がります。
(当ジムでも最初に月12⇨月8⇨月6と減らしていきながら自主練を織り交ぜて筋トレする人が圧倒的に成功します)
それから徐々にセッションを減らし、自主練を加えて運動回数を一定に保つよう計画すれば、トータルでコスパに優れたワークアウトが可能なのです。
トレーナーの本音はこうでも、お客様に経済的な負担をかけたくないという葛藤もあり、本音が言い出せないのが現状です。
マンション系パーソナルジムの廃業ラッシュが起こってる理由
パーソナルジムは良くも悪くも参入障壁が低い業態と言われます。
整体師などと同様、開業に必須となる国家資格や許認可が存在しないため、誰でもパーソナルトレーナーを名乗ることができてしまいます。
よって、トレーナー経験も資金も乏しい個人事業主がマンションの一室で必要最低限の設備だけで開業するというパターンが増え、そして間も無く消滅するという現象が起きています。
理由1 差別化が図れない
このようなマンション系パーソナルジムの廃業が立て続けに起こっている理由としては、まず他のパーソナルジムとの差別化が図れないところにあるでしょう。
ただでさえ差別化が難しい業態ではありますが、資金も設備も乏しくてはお客様から選んでいただくのは困難な気がします。
理由2 価格競争に付き合わざるを得ない
マンションという限られたスペースで置ける設備といえばパワーラックぐらいでしょうか。
すると、お客様への満足度という面ではどうしても低くなってしまい、自信が持てないことから価格を落としがちです。
マンション系同士で価格を落としあい、最後は“俺なんで開業したんだろ”と我に返って廃業してしまうパターンも多いようです。
理由3 広告費にお金がかかりすぎる
マンションの一室をジムにしているわけですから、外部から存在を知ってもらう術がありません。
SNSなど無料でアピールする手段はあっても、やはりそれだけでお客様が集まるようにはならないでしょう。広告費をかけて、安くサービスを提供しているからという理由が挙げられそうです。
理由4 狭くて気まずい
パーソナルジム!と聞いて多くの人が想像するのはある程度の規模とある程度の機材があるスタジオではないでしょうか。
“安いから”という理由で行ってはみたものの、全くお金のかかっていない内装設備で気まずくなってしまったという声はよく聞きます。
最後に
今回は巷のパーソナルトレーナーの本音や悩みについて書いてみました。
豊富な機材とワンフロアを貸し切った形での環境特化パーソナルトレーニングをご希望の方は、ぜひ一度パーソナルジムGAINへお越しください。24時間無料で利用できるプライベートジムも完備しています。
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