ジム経営ノウハウ

【完全版】パーソナルジムの開業費用と失敗しないための注意点とは!?

パーソナルジム開業は正攻法にのっとれば必ずうまくいく!!

どうも、神楽坂・早稲田の貸切りパーソナルジム GAIN 代表トレーナーで絶対ダイエット請負人の上地裕作です。

上地 裕作

  • 神楽坂 江戸川橋パーソナルジムGAIN 代表
  • JBBF 2018関東メンズフィジーク選手権 準優勝
  • ベストボディ・ジャパン2017東京オープン大会 ミドルクラス グランプリ受賞
  • 得意分野 ボディメイク、ダイエット

フィットネスブーム到来から数年が経ち、パーソナルトレーナーという職業が一般化してきた昨今において、雨後の筍のようにパーソナルジムも増え続けています。そして半年もしないうちに消えていくのも事実です。

また、従来の「正社員」という働き方も見直され、個人事業主(フリーランス)として報酬を得る業務委託者も少なくありません。

そんな彼らにとって自分の店を持つことは夢の一つでもあり、また不安に思うことも少なくないでしょう。

今回はパーソナルジム開業時にかかる費用から、失敗しないために知っておいた方が良いことまでを完全に網羅して発信していきます。

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パーソナルジム開業時の予算について

パーソナルジムといってもピンキリなのでなんとも言えませんが、結論から言うと開業後の運転資金を確保しておくことを考えて最低でも300万円は用意したいところです。

この300万円というのは、必要最低限の設備と10坪程度の小さなマンション店舗家賃を想定した場合の金額です。

もちろん、小規模店を開業するだけであれば100万円程度から始められますが、立地や広さ、設備面、ホームページや集客予算で他のパーソナルジムと大きく差が出てしまう上、開業後の広告費や自分の生活に必要なお金も捻出できません。

100万円の予算で始めるとほぼ間違いなく資金繰りができなくなり、デフォルト(債務不履行)してしまうでしょう。しっかり生き残るジムを作るには、ある程度のリスクは負う必要があります。開業後半年間は自分の給与がゼロであっても大丈夫なぐらいの資金は確保して臨むと良いですね。

パーソナルジム開業!理想の予算はいくらくらい?

例えば、将来的にセミパーソナルジムを予定している場合、少なくとも20坪以上のスタジオが必要になります。また、ある程度設備面やサービス面も充実しなければ他のジムと差別化を図ることが難しくなるでしょう。

開業後の集客と安定した運営を計画するのであれば、余裕を持って1000万円は用意したいですね。

具体的に各々どれくらいの費用がかかるの?

ここでは法人として設立し、オーナー兼トレーナーで運営、都内家賃25万円の路面店と過程しておおよその予算感を紹介します。

法人設立費用約25万円(印鑑、司法書士報酬等込み)
不動産取得費用前家賃2ヶ月分(50万円)
保証金/敷金4ヶ月(100万円)
礼金1ヶ月(25万円)
仲介手数料1ヶ月(25万円)
保険等雑費 50,000円
家賃保証会社保証料 1ヶ月(25万円)
合計 230万円
設備費用ホームページ作成費用 50万円
マシーン、フリーウエイト費用 300万円程度
合計 350万円
内装工事費用電装やロゴなどに拘らず、最低限の施工であれば 100万円程度
外装工事費用看板費用 20万円程度
その他備品費用商談机、ロッカー、掃除機、消毒液等々の備品類 20万円
総計745万円

もちろん、上記はある程度の理想型です。実際は、ホームページにもう少し予算を費やしたり、内装に予算を入れたいところですので、800万円程度は覚悟したほうがいいでしょう。また、物件によって保証金12ヶ月のようなものもあります。賃貸借契約を締結する際は、フリーレントの要求や保証金を下げてくれないかお願いするのは必須と言えるでしょう。

毎月基本的にかかってくるランニングコストを見てみましょう

ここでは1名正社員(総支給30万円)を雇用し、自己の報酬を20万円で設定している場合を仮定してお話しします。

人件費(業務委託含む)30万円
家賃25万円
社会保険料会社負担分2名分約7.5万円
光熱費3万円
通信費(電話、WI-FI)1万円
プロテイン、水等雑費3万円
システム費用(予約システム)0.5万円
広告費10万円
コインランドリー、消耗品費1万円
自分の役員報酬20万円
税理士費用2万円
消費税(2023年10月からインボイス制度が開始)簡易課税で売上の約5%
合計103万円 – 消費税

このほかにも、見えない支出が多々あります。従業員のボーナス、雇用保険料、労災保険、ブログ運営の業務委託費用等々。集客がうまく行かない場合は広告費をかける場合もあり得ますので、そうすると更に支出は膨らみます。

どうでしょうか?俄然『リスク高いな!てか儲からないな!』と思われたかもしれません。そうなんです、パーソナルジムのようなビジネスは一定数のお客様が入会してくれている状態を保てて初めて利益が出るビジネスなのです。

一店舗あたり最大MAXの月売上が200万円を達成していれば、約100万円が法人の手元に残る計算になります。

ちなみに、月商200万円まで行くのにかなりの年月がかかる上、ジム自体も飽和状態になりお客様からクレームも出てきます。こう考えると、投下資本の回収は2年でできればまぁ優秀と言えるでしょう。

パーソナルジム開業時の注意点

トレーニング指導はできて当たり前

トレーナーが独立する際に『トレーニング指導ができる』ことを理由に安易に始めようとしますが、非常にリスクが高いと言えます。

なぜかと言えば、トレーニング指導はできて当たり前だからです。また自分のトレーニング指導を自分の筋トレと同様に考えがちですが、自分で鍛えるのと指導するのは全くの別物。

初心者が納得いく説明もしかり、クライアントが希望を持って楽しくトレーニングができる環境作りも必須な技能と言えます。

トレーニング指導以外に必要なスキルとは

トレーナーは現場の顔、現場を離れればあなたは一国の主、経営者です。

経営者としてのレベルが低ければ、トレーナーとしての能力が仮に高くても経営は失敗すると思った方が無難です。

誰もが経営は初めてとはいえ、最低限準備しておいた方が良い知識が複数あります。

全くわからなくても、徐々に学んでいく必要はあるでしょう。以下で手に入れておいたほうが良い知識とスキルを紹介します。

簿記の知識

パーソナルジムの運営に限った話ではありませんが、簿記3級程度の知識はあったほうが良いでしょう。日々の日商や支出は意外と複雑です。前受金、前払い金、未収金、買い掛け金といった概念を知らないと、目先のキャッシュフローだけに頼って経営してしまいます。キャッシュフローは非常に大切ですが、債権債務関係をしっかり頭に入れて計画を立てるのであれば、簿記知識はあったほうが無難です。

簡単な企業会計の知識

簿記の知識が若干必要にはなりますが、簡単な企業会計の知識は経営者として必須と言えるでしょう。会社には事業の成績を表す『決算書』というものがあり、主に『貸借対照表』と『損益計算書』をしっかり読んで理解できる必要があります。これらを全くわからずに事業計画を立てると黒字倒産の危機に陥ったり、気づいたら現金不足で消費税、法人税が支払えないという結果になってしまいます。一度以下の本を読めばある程度理解できるはずですので、ぜひ読んでみてください。

簡単な民法の知識

法律かよ….と思われるかもしれませんが、そんなに構える必要はありません。民法の中の『債権法』いわゆる契約に関する部分に少しでも触れておくことをお勧めします。

トレーナーの業務委託契約やお客様がパーソナルジムに入会する際に行う契約から、日々の生活にまで広く関わる契約について、知識があるのとないのとでは全く変わってきます。

法律を学ぶと、経営者に必要な『危険察知能力』が身に付きます。『この契約ではこういったイレギュラーも考えられるから、万一発生した場合に備えて処理方法をこの場で決めておこう』となるわけです。

パーソナルジム運営では、業務委託者がお客様を引き抜くことも稀にあります。これは背任罪に問われる可能性がある重大な違法行為なのですが、民事的にどのように処理するかをあらかじめ書面で決めておくことで、『割りに合わないからやめておこう』と思わせる抑止力になるのです。

ちなみに、共同出資によって起業する場合は簡単な会社法の知識もあったほうが良いでしょう。自分の会社についてのルールを知っていて損はありません。

税務知識

税務知識はパーソナルジムに限らず、経営をしていく上で最も重要な知識と言えます。税金のことがわからない経営者は失格と言っていいほど、きっちり理解していないと大きな損失を被ることになるからです。

特に第三者から出資してもらうような場合、税金をしっかり処理できないければ株主資本に大きな影響を与えかねません。

株式会社の目的は利益の最大化、支出の最小化で、株主に利益を与えることを使命としています。少なくとも消費税、法人税、固定資産税、所得税に社会保険料、中間納付については確実に理解したほうが良いでしょう。これらを理解せずに経営するのは包丁を握れない料理人と同じです。難しい、数字が苦手と言い訳する暇があったら今すぐ税金を学ぶべきでしょう。どうしても税金を学びたくないなら経営者には向かないのでやめたほうが無難です。

なお、2023年10月からインボイス制度が開始されます。これは個人法人問わず消費税非課税業者に大きく影響する制度なので、知らなかったでは済みません。いきなり契約を打ち切られることもあり得るし、お客様に多大な迷惑をかける可能性がある制度なので、絶対に知っておきましょう。

インボイス制度について詳しく知りたい方はこちらがお勧めです。

ウェブマーケティングの知識

ビジネスを行う上で最も重要なスキルといえば、マーケティングスキルです。

アナログでもデジタルでも、自社商品を潜在顧客に認知してもらえなければ永遠に売上は0円です。先に言っておきますが、パーソナルセッションの能力が長けていても、マーケティングがダメならすぐに倒産してしまいます。

パーソナルジムのマーケティングの王道もやはりウェブマーケティングに移行しつつあり、従来の手法であるポスティングだけではやはり限界があります。

これは私の持論ですが、パーソナルジムのような商圏商売はできるだけ広告にお金をかけず、オーガニック検索(SEO)あるいはブログやSNSといった媒体で認知してもらうのがベストだと感じます。

大手のパーソナルジムは広告費を湯水の如く費やすため、SNSを開けば毎回お馴染みかのように出現しますよね。(しかも数ヶ月で痩せますよ的なやつ)あれ、ワンクリックの広告費は相当えぐいのをご存知でしょうか。その広告費はいったい誰に皺寄せが来ているかというと、お客様とそこで働くトレーナーなのです。はっきりいって広告費は無駄でしかないため、自力でWEBマーケティングを行ってスタッフとお客様に還元したほうが結果として『良いジム』が出来上がります。

もちろん、開業初期段階である程度お客様を呼び込むための起爆剤として広告を利用することまで否定はしません。ただし、広告も相当うまく打たないと現在は効果を得られないのも事実です。広告についての知識がない方は、広告代理店を使ってリスティングを打ったり、ホットペッパービューティーなどのプラットフォームに打つのが無難かもしれません。

ワードプレス(Word Press)を編集できるhtmlとcssの知識

上記のスキルよりやや重要度は下がりますが、自社のWebページを編集したりブログをある程度綺麗に執筆できる能力があると重宝します。結局のところ、自分のパーソナルジムの強みや伝えたいことは社長が一番よくわかっているはずですので、いつでも迅速にWebページを変更したり情報を発信したりできると、そこにスピード感が生まれ結果も早くわかります。

これは外注でも構いませんが、ちょっとした手直しで数千円とやり取りの時間を取られるくらいなら、自分で処理しちゃうほうが結局は楽ですね。

Photoshopのスキル

これも上記のスキルに比べれば重要度は下がります。ホームページの作成やブログ作成の際のサムネイル作成だったり、チラシのちょっとしたデザインなどを自分でアレンジできるスキルになるので、あって損はないがなくても支障はないレベルと言えるでしょう。Photoshopは極めるまでとんでもない時間がかかりますが、基本動作を覚えるだけで相当綺麗な写真が作れます。また初心者は簡易廉価版のPhotoshopエレメンツがオススメです。

Photpshopエレメンツはこちらから購入いただけます。

ワード、エクセルの知識

これは経営者というより社会人として必須スキルなのではないでしょうか。

現在お客様や取引先も当然のようにWordやExcellを使用していますし、もはや紙媒体でのやりとりを嫌う傾向すらあります。外部とのやりとりはもちろん、請求書作成や顧客データ、日商記録などで必ず使用することになるので、ワード、エクセルが使えないのは致命的と言っても差し支えないレベルです。少なくともエクセル関数がある程度使いこなせるレベルにはなっておきたいところです。

トレーナーの陥りがちな勘違い

昨今ではSNSはじめ、各種大会で上位に食い込むと知名度が上がり“俺はすごい人間なんだ”と思い込んでしまうかもしれません。しかし、あなたのパーソナルジムに来るお客様の99.9%はあなたの事を知らないという事実を受け止めた方が良いでしょう。

業界で有名になっても、現実集客の世界ではほとんど役に立ちません。もちろん、YouTubeで登録者が100万人を超えるような超人がジムをオープンすれば話は別ですが、SNSのフォロワーが多い=集客できるでは決してない事を肝に銘じましょう。

ただし、SNSで発信力があると雇用やパートナートレーナーを探しやすくなるというメリットはあります。

パーソナルジム開業場所の選定における注意点

パーソナルジムは良くも悪くも商圏ビジネスです。

つまり、せいぜい半径1キロ圏内に住む方、又は職場がある方が主なターゲットになるビジネスという事を頭のど真ん中に置いておく必要があります。

資金力に乏しい個人や零細法人がパーソナルジムを開業する場合、駅前の坪単価が高い立地は絶対に避けるべきでしょう。というのも、考えてみてください。パーソナルジムは“非回転ビジネス”です。

飲食店のように席を何回転させて売上いくらという世界ではありません。つまるところ、人通りの多い場所に無理して高い家賃を払ってオープンすると大きなロスが発生します。

例えば、家賃100万の駅前に出した場合と家賃25万の離れた場所に出した場合、会員数が双方とも40人確保しているとすると駅前の家賃は完全に無駄になります。

最大会員数が200人を超えるようなジムを作るなら駅前の方が良いですが、40人程度をMAXと考えるのであれば、絶対的に駅から多少離れた場所をチョイスしましょう。

マシーン選定の注意点

マシーン選定は誰もが悩み、予算の壁に阻まれる瞬間でもあると思います。マシーンの豊富さは実際に集客に影響はありますか?とよく聞かれますが、正直なところ『そこまで気にする必要はない』というのが答えです。

というのもパーソナルトレーナー自身が最強のマシーンであるため、必要最低限の設備でお客様を満足させることは可能と考えます。

パワーラック、ラットプル、ケーブルマシーン、各種ダンベルさえ用意できれば、体験に来たお客様から不満は出ないと思います。最も、差別化という観点からマシーンを増やすという安易な考えもなしではありませんが、初期段階から現金を減らすのはあまり賢いやり方ではありません。パワーラックのみ!というジムはやはりどこか貧相に見えてしまいますが、実際そういったジムは少なくありませんし、長く継続しているジムも多いです。

マシーンのメーカーについてですが、超一流メーカーを揃える必要は全くありません。集客にも全く影響はないのでご安心ください。

個人的に多くのパーソナルジムが採用している『TUFFSTUFF』がおすすめです。特にパワーラックは身を乗り出してお勧めしたいレベルです。

価格設定は計算機を叩きまくれ

ここまで見てきた人は、価格設定がどれだけ自分の将来を決めるかがわかると思います。

端的に安さを売りに相場より低すぎる金額を設定してしまうと働き損となり、いくら働いても黒字にならないどころかキャッシュが枯渇して破綻します。これは個人的な指標ですが

MAX売上−通常の支出+自分個人への報酬=売上の40%

となるように設定すると丁度いいかと思います。

例えば、1店舗あたりのMAX売上が250万、通常支出が自分の報酬含め180万、自分の報酬が30万の場合、売上の40%となります。(自分の報酬と総合して100万円の黒字となります)

つまり設定単価は、売上250万円に対し、MAXセッション数が250セッションの場合は、250万円÷250=1万円(税抜)となります。

仮に、これを何も考えずに単価8000円で行った場合はどうでしょう。

MAX売上は200万円となり、会社の儲けと自分の報酬でたったの50万円しか余りません。会社は毎月20万円しか貯金できないと考えてください。

これは1店舗あたりのMAX売上でのシミュレーションなので、当然この数字通りに事は進みません。回収するのに一体何年かかるの?得た利益で2店舗目はいつ作れるの?という話になります。

全く夢のない、見切り発車で始めた惨めな事業となります。投下資本の回収は早ければ早いほど良いですが、単価を上げすぎると集客に悪い影響を与えます。

回収に2年以上かかってしまうと事業がスケールしづらくなる点も抑えた上で、1年〜1.5年で回収する計画を立てると良いでしょう。

どのパーソナルジムも単価設定は1セッションあたり1万円以上に設定しないと、未来ある事業として成り立たないような気がします。身体を鍛えるのも良いですが、その情熱を少し脳みそにも注いであげてください。

内装外装へのこだわり過ぎは禁物

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ミーハーな人ほど、内装を豪華にしたがる傾向にあります。しかしお客様の立場に立った時、内装の豪華さはそんなに重要でしょうか?

内装にいくら掛けようが、パーソナルジムに来るお客様の身体に対する影響はありませんし、ある意味自己満足の世界です。極論、売上に影響はほとんどありません。

内装工事は無尽蔵に凝ることができます。しかし凝れば凝るほど業者に支払う費用が跳ね上がります。仮にフリーレントをもらえるのであれば、自分で壁紙を貼るなり、モニターを設置するなど工夫すればそれなりにジムっぽくはなります。

内装工事は高額になりがちだからこそ、ここは数万円単位で節約できるところは節約し、200万円以内に抑えるべきでしょう。

ワンクリック系の広告はお金の無駄

一昔前であれば、広告といえばGoogleのリスティング広告が主流でした。オークション形式で広告単価が決まり、今では目が吹っ飛ぶほどの高単価です。

(神楽坂 パーソナルジム)で広告を打つとワンクリック2500円だったのを覚えています。

お客様の体験申し込みが来れば何の問題もありませんが、お客様も他のパーソナルジムと“比較”しますよね。Googleの広告欄でサイトに来てもらっても、結局は他に回遊されて体験申し込みまで実現しなければ意味がありません。

さらに、同業者から嫌がらせのクリック攻撃をされ、秒で広告予算が吹き飛びます。私は広告に頼らないマーケティングを第一に運用していますが、どうしても広告を打ちたいのであればパーソナルジムのランキングサイト課金やホットペッパーなどのプラットフォームをうまく利用しましょう。

パーソナルジムにシャワー室は必要か?

これもよく聞かれる質問です。

結論から言えば、シャワーは必要ありません。とういのも、パーソナルジムは一般的なオープンジムと異なり“時間制”がほとんどです。

あなたがどのようなシステムのジムを開業するのかにもよりますが、シャワーを提供することでお客様の滞在時間が大幅に長くなり、それこそ回転に影響を与えます。

また、ほとんどのお客様がシャワーを求めていないのも現実です。小規模から始めるパーソナルジムであれば、よっぽどの理由がない限りシャワールームは用意しない方が良いでしょう。

お客様の立場に立って予約システムを上手に活用する

パーソナルジムに限らず、次回の予約を効率よく取得してもらうための仕組み化が必要になります。あなたがお客様だったら、どのように予約を取りたいでしょうか?

ほとんどの方がスマホから予約を取りたいと答えるでしょう。

これは余計な支出にはなりますが、この予約システムはお客様との間でいらぬトラブルを回避することにも寄与するのです。口頭だけで次回の約束するという従来の方法もありますが、これだと以下の不都合が考えられます。

  • お客様がいつ予約をしたのかを忘れる可能性
  • お互いが予約日を誤って認識
  • お客様が現場で次回の予定を立てられない
  • キャンセルする度に毎回連絡が必要
  • キャンセル連絡に対していちいち対応が必要
  • 希望時間の予約状況が把握できない

筋トレを習慣化するという目的に沿うのであれば、こういったシステムをうまく利用するべきです。

トレーナーが増えれば増えるほど、想定されるミスも増えがちです。トレーナー個々人に不確実な仕事をさせるより、余計な心配事を減らしてあげることも大切な上司の仕事ではないでしょうか。

パーソナルジムGAINが利用しているLINE予約システムはこちらです。

雇用、フリートレーナーと契約する際の注意点

お客様が増えてきた時に、新たなトレーナーを迎える必要がやってきます。その時に考えるのが、雇用にするか、あるいは業務委託にするのかで多くの方が悩まれるのではないでしょうか。ここでは雇用と業務委託で各々メリットとデメリットを紹介します。

メリットデメリット
雇用・労働基準法内でスタッフに様々な仕事を命令することができる。
・正規雇用であれば自分直属の部下となるので、関係性という部分から見ても親密になる。
・正規雇用した場合、その人がいかに使えない人間であっても会社都合でクビにすることができない。
・トレーナー未経験者の場合、教育に時間がかかる
・社会保険の会社負担や交通費支給、有給休暇付与義務
・一般的に週休2日を与えることになり、雇用にあたっての事務手続きもやや煩雑
業務委託・パーソナルセッションに関して教育に時間を費やす必要がなく、即戦力として活用できる
・意識の高いフリートレーナーは清掃意識も高く、一般的にプロとしての仕事ができる
・社会保険や交通費の会社負担がない
・契約解除に関しても、契約で定めた条件に基づけば基本的な制限はない
・他の仕事やジムとの掛け持ちでやられる方が多い故、使い勝手という面で正社員ほど自由はない
・ポスティングや事務作業、広報といった部分を任せる場合は別途料金が必要になる

雇用を選ぶ場合は、自分がボスとしてリーダーシップを発揮できる人間か否かで判断すべきでしょう。基本的に正社員であろうが、上司から仕事を命じられなければ何も動きません。あなたが率先して仕事を振れない上司なのであれば、正社員を雇用する意義はあまりないと言えるでしょう。

一方、質の高いパーソナルセッションだけをお願いしたい、またはあれこれと細かい指示をするのが苦手な人は業務委託者と契約する方が良いですね。

★超重要なインボイス制度について

上述したインボイス制度ですが、これは業務委託者と受託者双方に大きな影響を与える制度です。 2023年10月より開始されるので、各々漏れなく理解した上で課税業者となる道を選びましょう。

インボイス制度の簡単な解説

パーソナルジムを運営する事業者、フリーランストレーナー共に消費税課税事業者となり、適格請求書を発行できるようにならなければ、報酬を支払う側に多大な迷惑がかかる制度です。

もしこのインボイス制度を無視して非課税業者のままでいると、あなたに委託してる人から契約を打ち切られる可能性があります。

受託者であるフリートレーナー(非課税業者)が委託者(課税業者)に対して委託報酬を請求します。
金額が30万+消費税3万円を請求したとします。
委託者が33万円を支払った場合、仮に受託者が課税業者であれば、この3万円は既に支払った消費税としてカウントされます。
(委託者は3万円の消費税を既に納税したことになる)
しかし、受託者が非課税業者の場合、インボイス制度を知らずに委託者が33万円を支払ったとすると、この3万円は“募金”扱いになります。
要するに、委託者は3万円を実際に拠出しているのに、消費税を払っていないと扱われます。
つまり、更に消費税で3万円を追加で支払わなければならなくなります。

上記説明は語弊を覚悟であえてわかりやすく説明しています。詳しくはインボイス制度とはを参照いただくとして、必ず対策が必要になるということは覚えておきましょう。

施設賠償責任保険はしっかり加入しよう

一対一で付きっきりとはいえ、トレーナーの過失によりお客様が怪我をしてしまう可能性は否めません。仮に入会規約で『一切の責任を負いません』と記載してあったとしても無効となります。雇用しているトレーナーや業務委託者のミスで起きた事故であっても、一義的な責任の所在は契約当事者であるジムにあります。

万一の事故に備え、責任をしっかり負うためにも施設賠償責任保険に加入することを強くお勧めします。お勧めは東京海上日動の施設賠償責任保険です。

入会契約書の作成は慎重に

このようなことを言うとお客様をディスっているように聞こえてしまうかもしれませんが、ほとんどのお客様は契約書や利用規約に目を通していません。

体験でこられたお客様に長々と契約についてお話もしづらいでしょう。だからこそ、トラブルを回避すべく詳細な決め事をしっかり書面に残し、重要な部分だけを取り上げて重要事項として口頭でも説明する必要があります。

特に重要なのは以下の項目についてです。

・料金設定及び支払い方法について

・当日キャンセルの取り扱いについて

・当日キャンセルの定義

・返金についての取り扱い

休会、退会の申請期限及び方法

キャンセルによる振替のルールについて

この点を曖昧にするとお客様との間でトラブルが発生しやすく、変な話ですが訴訟リスクも上がります。また、曖昧が故にお店側が妥協せざるを得なくなり、思わぬ出費につながったりするでしょう。あなたのジムは世界に一つしかありませんので、ネット上に転がっているどこかのパーソナルジムの入会契約書をコピペして利用するのは危険すぎるのでやめましょう。

最も良い会費の徴収方法

最もポピュラーな会費の徴収方法として以下の4つがあります。

・現金支払いor振り込み

・クレジットカード払い

・銀行引き落とし

  

・クレジットカード定期引き落とし

・キャッシュレス決済

最もアナログな支払い方法である現金支払いですが、今現在あまりこの支払い方法は好まれない傾向にあります。キャッシュレス化も普及し、大金を財布に入れる習慣がない人も増えてきました。もちろん、店舗側からすると現金で支払っていただけるのが最も利益につながりますし、キャッシュフロー上も最適なのは間違いありません。ただし、お客様からすると最も不便な支払い方法であるため、用意はしておいても良いですが、以下のデメリットがあります。

現金(キャッシュ)払いと銀行振り込みのデメリット

現金支払いに対応することで、釣り銭を用意する必要が出てきます。また、現金を扱うことで違算が出たり、紛失したり、防犯上も好ましくない上に管理コストが発生します。一般的に経営上は銀行残高で現金を管理すると思うので、いちいち銀行のATMに預け入れる時間的コストや、店舗にある釣り銭含めた現金がいくらあるのかを把握するコストも生まれます。万一現金に過不足が発生した場合、責任の所在も問題になるので、現金でのやりとりは一切不可にしているパーソナルジムが多いですね。

数ヶ月分の支払いを一括で受けるような料金設定の場合(例えば、3ヶ月間だけ入会するような場合)であれば、現金での処理も悪くはありませんが、現金で支払いを求めるのであれば、後述する銀行振り込みが最もトラブルなく利益にもつながる支払い方法ですので、銀行振り込みをお勧めします。

銀行振り込みですが、こちらも現金キャッシュ払い同様パーソナルジム側にとって最も利益につながる決済方法になります。ただし、こちらは現金支払い以上にお客様にとって面倒な支払い方法になります。令和の今、毎月請求書通りに銀行振り込みをする習慣はほとんどないのではないでしょうか。

そればかりでなく、徴収もれの管理コストや請求書を発行する時間コストも相当なものです。毎月固定して支払っていただく形式のパーソナルジムでしたら、現実的な徴収方法とは言えないでしょう。

続いてクレジットカード払いですが、こちらはパーソナルジムで多く使われている支払い方法の一つです。入会金や体験料といった単発のお支払いや、毎月お客様から都度徴収するようなシステムのパーソナルジムでは重宝するでしょう。

クレジットカード払いのデメリット

現金を手元に置かない多くのお客様にとって便利な支払い方法であるクレジットカード支払いですが、パーソナルジムにとって大きな痛手となるのが『決済手数料』です。大体受け取り金額の3%〜4%の手数料を決済会社に支払う必要があるため、仮に売り上げが300万円あり全てクレカ決済で対応した場合、月約9万円〜12万円、年間で100万円を超える手数料が発生します。これは予想を上回る大きな出費ですし、これを大きく削減することは現状難しいと言わざるを得ません。また、クレジット決済端末を使用するにはインターネット回線も必須です。小さいパーソナルジムでわざわざネット環境を引きたくない場合でも、余儀なくネット回線を契約するハメになります。

入金サイクルも長い場合は30日程度後になって振り込まれるため、キャッシュフローに影響を与えます。最近ではSquareといった決済代行で翌日入金などもあるので、参考にしてみてください。

続いて銀行引き落とし払いです。従来、習い事といったら銀行引き落としが主流であったため、現在でもこの決済方法を好んで使用しているパーソナルジムは少なくありません。ちなみに筆者が運営するパーソナルジムGAINも、銀行引き落としを主な支払い方法に設定しています。

銀行引き落としのデメリット

銀行引き落としでもクレジットカード支払い同様、手数料たるものは存在します。ただし、クレジットカードと比べるとやや安い傾向にあります。税理士さんからお勧めされる日税ビジネスのMY集金ネットというサービスは、特に手数料が極端に低く、コスパはピカイチ良いです。

日税のMY集金ネットは従量課金なので、手数料はおおよそ売上の0.5%程度に抑えることができ、クレジットカード支払いと比較すると最大8倍も差があります。これは使わない手はありません。

ただし、いかんせシステムが旧態依然のままなので、サイト自体が非常に古臭く使い勝手が悪い側面もあります。

ウェブ上の難点は、平日の8時〜22時の間でなければウェブにアクセスできず、夜の時間帯や土日祝日は全く利用できません。実務上の難点としては、必ずお客様の『届出印』が必要で、かつ記載漏れや陰影不鮮明があった場合は容赦無く弾かれます。印鑑を持ってこないお客様や、そもそも印鑑を無くして持っていないお客様もいるので、その場合は全く対応ができなくなります。また、お客様の指定した口座に残高が不足していると徴収ができません。

さらに、仮に書類に不備があった場合もすぐに連絡をいただけるわけでなく、数日経ってから郵送で送り返してきます。極め付けは、本部に書類が届いたか否かをなんとFAXでお知らせしてきます。とにかく手法が平成初期のままストップしているため、正式に受理されるまでは相当イライラしますが、手数料の安さと自動引き落としの金額変更などは簡単に設定できるため、筆者のパーソナルジムでは利用させていただいています。

続いてクレジットカード定期引き落とし(継続課金)についてですが、最も先進的で実務上最もスムーズにサブスクリプションを行えるというメリットがあります。PAYGENTというサービスが人気で、パーソナルジム問わず広く利用されています。

クレジットカード定期引き落としのデメリット

銀行引き落としと比較されやすいクレジットカードによる継続課金方式ですが、大きなデメリットとしては非常に手数料が高い点にあります。信用機関が必ず事業者にお支払いを担保してくれるメリットがありますが、不正なチャージバックのリスクやクレジットカードの有効期限切れによる支払い不能といったデメリットが存在します。

大きなオープンジムでは、事務手続きを簡便化する必要があるためクレジットカードによる継続課金が最も利用されるようですが、パーソナルジムで利用するメリットはあまり多くないでしょう。『手数料』は毎月控除されて支払われるため気づきにくい支出ではありますが、決算書をみたときに『無駄な出費だなぁ』と思う経営者は非常に多いです。

最後にキャッシュレス決済です。これは現金やクレジットカード支払いに次ぐ新しい支払い方法で、だいぶ普及してきました。特にPayPayやSuicaはほとんどの人が利用しているため、単発のお支払い用に準備しておいたほうが無難でしょう。手数料も2%程度とクレジットカードに比較すると低めですが、継続課金ができないのであくまでも単発の決済用になります。

キャッシュレス決済のデメリット

キャッシュレス決済の大きなデメリットは特にありませんが、あえて述べるとすれば『徴収漏れ』が発生する事案があるということでしょう。特にPayPayのQRコードを読ませて支払う方法は、スタッフがスマホ画面をしっかり確認して支払い完了しないと、本当に支払われたかどうかが現場では不明なのです。スマホを差し出され、決済ボタンをタップせずに『支払いされたな』と勘違いするパターンが全国で頻発しているようなので、この点の教育は必須になるでしょう。

最後に

色々とジム運営を失敗しないためのスキルや注意点を書いてきました。パーソナルジム経営は参入障壁こそ低いですが、成功するにはかなり難易度が高いビジネスと言えます。

成功条件として、現場において筋トレ指導をうまくできることは前提として、お客様から好かれるようなコミニュケーション能力も重要です。筋トレを楽しいと思っていただけないければ、継続は難しいですし、働いていても楽しいと思えなければ続きません。

一方、現場以外の能力は自分で身につけるに越したことはありませんが、短期間で身につくものでもないですし、現場に出ていれば圧倒的に時間が足りません。

思い切って経営能力のあるパートナーを見つけるか、時間を区切ってコンサルティングをしてくれる方と業務委託契約を結ぶのも一つの手段かと思います。

どんな事業も、初めは大成功を目指すよりも“失敗しない”ことに重きを置いて徐々に成功に近づけていくのが王道です。目先の利益に惑わされず、数年後にどうなっていたいかを明確に掲げて投資計画を進めていきましょう。

これからパーソナルジム開業を考えている方、いつでも無料で相談に乗りますのでお問い合わせよりお気軽にご連絡ください。コンサルティングのご依頼も随時募集中です。

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