昨今ではTHE MATCH2022で那須川天心選手と武尊選手が格闘技界を賑わし、キックボクシングで若者に夢を与える一面を見せております。
いわゆる【スポーツ】という枠組みで見たときに、流行るかどうかは必ず大人の事情が介在します。それはその興行で利益を出せるのかということ。
日本だと、メジャースポーツといえば野球とサッカーくらいでしょうか。そういう意味で言えば、ボディビル含め他の競技はマイナーな種目と言えるでしょう。
一生懸命筋トレをし、かっこいい身体を争うボディビルの大会がもっとメジャーになって欲しいという声がある中で、一方ボディビルはメジャーな競技にはならない!と断言する意見も少なくありません。
本記事ではなぜボディビルはメジャースポーツになり得ないのか、紹介していきます。
どうも、神楽坂・早稲田の貸切りパーソナルジム GAIN 代表で絶対ダイエット請負人の上地裕作です。
上地 裕作
- 神楽坂 江戸川橋パーソナルジムGAIN 代表
- JBBF 2018関東メンズフィジーク選手権 準優勝
- ベストボディ・ジャパン2017東京オープン大会 ミドルクラス グランプリ受賞
- 得意分野 ボディメイク、ダイエット
一般人が見ても興奮しない
これはいわゆる大人の事情に関する問題ですが、ビジネスというのは一般人受けしてなんぼなのです。
ボディビルにめっぽう詳しく、熱狂的なファンがいるのも事実ですが、普通は一瞬『すごい身体だなぁ』で終わってしまうのですね。
舞台でポージングをして筋肉の隆起具合を披露されても、一般の人は5分もすれば飽きてしまいます。
いわゆるバトル感がなく。デートで観戦したり、家族で見にいいこうよ!とはならないのがボディビル。
ごく僅かなマニアと、知り合いが参戦するから見に行きますといった層が大半を占めるこの業界では、興行としてなかなか成り立ちにくいわけですね。
審査基準が恣意的
毎年のトレンドによって審査基準が変動したりするので、SNSで人気の人物を勝たせたり、大会のスポンサーに関係する人物を勝たせたりといったことは少なくありません。
中には顔面偏差値、SNSの投稿内容などが審査基準ですと公言する団体もあり、もはやなんの大会なのかわからない一面もあります。
一般の人からするとどっちの身体が勝っている負けているといった判断ができず、格闘技のようなKOという分かりやすい勝敗の決定方法もないため、端的にいうと面白くないと思われてしまっているのでしょう。
体のバランスが勝敗を分けると言いますが、結局は審査側の100%主観でジャッジされるためよくわからない。
であれば、PPVで投票権を視聴者に与え、視聴者に勝敗を決めさせるような仕組みにすれば盛り上がるのでは?と思います。
薬物使用が蔓延している
団体によってはいわゆるアナボリックステロイドの使用が当たり前になっています。
身体を鍛えること=健康的だよね!が一般的な見解であるはずのフィットネスが、人間の限界を超えたバルクを手に入れるべく薬物に手を出して争っているのがボディビルの世界です。(すべての団体ではないですが)
これではもはやスポーツとは呼べず、自己満足を披露するただのエンターテインメントとなってしまっています。
もちろんナチュラルで頑張っている人も多くいますが、ユーザー(ステロイドユーザー)には勝てませんし、ユーザーがSNSなどで人に影響を与える立場となって間違った発信を行っているのを見ると、やはり悔しい気持ちになります。
JBBFで人気の久野選手の同様に語っていますね。
格闘技ほど団体がしっかりしていない
例えばボクシングでいえば、しっかりとプロライセンスがあり、階級ごとに安全に試合を組んで行われます。
もちろん、無名の時代は小さなホールで試合をして数万円のファイトマネーを手にするような、良い意味でヒエラルキーがはっきりしています。
一方ボディビルは誰でも参加することでき、個人を管理する所属ジムという概念すらありません。これでは、個人が名前を売って個人で生計を立てるしか方法はなく、金のためなら…と薬物使用を正当化してしまうのもあり得る話です。
また小さなボディビル系の大会の主催側もいい加減なところが多く、叩けば埃まみれみたいなところも少なくありません。そういった意味で、JBBFという団体は比較的しっかりと規約もあり、フィットネス業界を盛り上げたいという気概が垣間見えますね。
掘り返せば色々な理由がありますが、興行のスタイル自体が変わらなければ日本で流行らないという意見に概ね賛同です。
とはいえ、99%のトレーニーは大会に出場するわけでもなく、実直に健康管理やモテるためといった理由で行っているので、ボディビルが流行ろうが廃れようが関係ありません。
あくまでも、フィットネスは健康のためにあることを忘れずに、筋トレを楽しんで行えることが大切なことでしょう。
コメント