どうも、神楽坂・江戸川橋・早稲田の貸切りパーソナルジム GAIN 代表で絶対ダイエット請負人の上地裕作です。
上地 裕作
- 神楽坂 江戸川橋パーソナルジムGAIN 代表
- JBBF 2018関東メンズフィジーク選手権 準優勝
- ベストボディ・ジャパン2017東京オープン大会 ミドルクラス グランプリ受賞
- 2024年 東京クラシックフィジーク 175cm以下級 準優勝
- 【男性版】日本を代表する人気メンズフィットネスモデル8人を紹介!にて紹介されました
- 資格 NSCA-CPT, NESTA-PFT, PHIピラティスインストラクター, キックボクシングプロライセンス
今回は、筋トレをしている方に向けて「筋肉をつけるための最適な食事回数」について、科学的な視点から詳しく解説します。食事回数は、筋トレをしている人なら一度は気になったことがあるテーマですよね。
一般的に、1日3食は筋肉にとって非効率だから、1日5〜6回に分けて食べるべきだというアドバイスをよく耳にすると思います。しかし、最新の研究によると、実際にはこれが必ずしも正しいとは限りません。
今回は、最新の研究結果をもとに、筋肉をつけたい方に最適な食事回数について科学的に解説し、さらに、近年注目を集めている「16時間断食」が筋肉に与える影響についても取り上げていきます。ぜひ最後までお楽しみください。
YOUTUBE版はこちらからどうぞ!
食事頻度と筋肉の関係
まずは、筋肉をつけたい人が気にする「食事の回数と筋肉増強の関係」について見ていきましょう。よく言われるのは、1日3食ではなく、1日5〜6回に分けて食べた方が、筋肉がつきやすいという説です。この考えは、食事回数を増やすことで体内のアミノ酸濃度を一定に保ち、筋肉の分解を防ぎながら合成を促進できるという理論に基づいています。
しかし、実際に食事回数が筋肉にどのような影響を与えるかについての科学的根拠はどうでしょうか?2011年にカナダで行われた研究では、1日3回の食事を摂るグループと、1日5回の食事を摂るグループに分けて、筋肉の増加量を比較しました。両グループとも1日の総摂取カロリーは同じで、8週間後に筋肉量を測定した結果、1日5回食事を摂ったグループの方が若干筋肉が増加しやすい傾向が見られました。
また、2009年にアメリカで行われた別の研究でも、1日3回の食事と5回の食事で同様の比較が行われ、同じ結果が示されています。しかし、これらの研究では、食事回数を増やすことで得られる筋肉増加の効果はごくわずかであり、大きな差は見られませんでした。つまり、1日5〜6回に分けて食べることで筋肉がつきやすくなるという説は、科学的に完全に裏付けられているわけではないということです。
食事回数と代謝、脂肪燃焼の関係
次に、筋肉をつけるためだけでなく、脂肪を減らすためにも食事回数を増やした方が良いという説について見てみましょう。多くのフィットネス愛好者が信じている「1日5〜6回に分けて食べることで代謝が上がり、脂肪燃焼が促進される」という考えは、実際にはどうなのでしょうか?
2015年にカリフォルニア州立大学で行われた大規模なメタアナリシス(複数の研究を統合して分析する方法)では、1日3回の食事と1日5〜6回の食事を比較しました。この研究は、15の研究論文を元に行われ、その結果、1日5〜6回に食事を分けた場合でも、カロリー消費や体脂肪の減少にはほとんど影響がないことが明らかになりました。実際、15の研究のうち14の研究では、食事回数を増やしても、消費カロリーの増加や脂肪減少の速度には明確な変化が見られませんでした。
唯一、1つの研究では、1日2回よりも6回に分けて食事を摂った方がわずかに脂肪が減りやすかったという結果が報告されていますが、その差はごくわずかであり、実際には無視できる程度のものです。このように、食事回数を増やすことで代謝が上がり、脂肪が燃焼しやすくなるという考えは、科学的には支持されていないことがわかります。
16時間断食と筋肉への影響
次に、近年話題になっている「16時間断食(インターミッテントファスティング)」が筋肉に与える影響について見ていきましょう。16時間断食は、16時間の断食期間と8時間の食事時間を組み合わせる食事法で、減量や体重管理の方法として注目されています。しかし、筋トレをしている方にとって気になるのは、「16時間も食事を取らないと筋肉が分解されてしまうのではないか?」という点です。
2019年にアメリカで行われた研究では、16時間断食を実施したグループと、通常の食事をしたグループに分けて8週間にわたって比較されました。両グループとも、体重1kgあたり1.6〜1.9gのタンパク質を摂取し、週3回の筋トレを行ったところ、どちらのグループも筋肉量に大きな変化は見られませんでした。つまり、適切なタンパク質摂取と筋トレを行っている限り、16時間断食によって筋肉量が減ることはないという結論が得られました。
この研究結果から、16時間断食をしても筋肉の分解が進むことはないということが科学的に示されています。むしろ、減量中においては、食事回数よりも1日に摂取するタンパク質の量や筋トレの質が重要であると言えます。
結論:食事回数はライフスタイルに合わせて
以上のように、筋肉増強や脂肪燃焼に関して、食事回数を増やすことが必ずしも効果的であるという強力な科学的証拠はありません。食事回数よりも重要なのは、1日に摂取する総カロリーや栄養素の質です。特に、筋肉をつけるためには、1日のタンパク質摂取量を体重1kgあたり1.6〜1.9g以上確保することが大切です。
また、減量を目指している方にとっても、1日5〜6回に分けて食事を摂ることが脂肪燃焼に大きな効果をもたらすわけではなく、むしろ無理なく続けられる食事回数を選ぶことが大切です。ライフスタイルや仕事のスケジュールに合わせて、自分にとって無理のない頻度で食事を取ることが、長続きするポイントとなります。
例えば、忙しい日常生活の中で1日6回食事を摂るのが難しい場合は、3回の食事でも問題ありません。また、16時間断食を取り入れることで、食事の頻度を減らしつつも筋肉量を維持しながら減量を進めることも可能です。
結論として、筋肉増強や減量を効率的に進めるためには、食事回数にとらわれるのではなく、1日の総摂取カロリーとタンパク質の摂取量に焦点を当てることが重要です。自分に合った食事のタイミングと回数を見つけ、無理のないボディメイクを目指しましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました!次回のブログでお会いしましょう!
コメント