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どうも、神楽坂・江戸川橋・早稲田の貸切りパーソナルジム GAIN 代表で絶対ダイエット請負人の上地裕作です。
上地 裕作
- 神楽坂 江戸川橋パーソナルジムGAIN 代表
- JBBF 2018関東メンズフィジーク選手権 準優勝
- ベストボディ・ジャパン2017東京オープン大会 ミドルクラス グランプリ受賞
- 2024年 東京クラシックフィジーク 175cm以下級 準優勝
- 【男性版】日本を代表する人気メンズフィットネスモデル8人を紹介!にて紹介されました
- 資格 NSCA-CPT, NESTA-PFT, PHIピラティスインストラクター, キックボクシングプロライセンス
フィットネスの世界では、トレーニングメニューの選び方が非常に重要です。特に、筋力トレーニングにおいては「全身法」と「分割法」という2つのアプローチが存在します。
初心者の方から「全身を一度に鍛える全身法が良いのか、あるいは特定の部位を分割して鍛える分割法が良いのか?」という質問をよくいただきます。今回は、そんな疑問に対して科学的な視点から解説し、どちらの方法が自分に適しているのか考えていきます。
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結論:全身法 vs. 分割法、どちらが効果的か?
最初に結論をお伝えしますと、トレーニングの効果はその人の状況に応じて変わるため、一概に「全身法が良い」「分割法が優れている」とは言えません。しかし、初心者に対しては、私たちは一般的に全身法、もしくは全身法に近い分割法をお勧めしています。
なぜなら、初心者にとっては全身をバランスよく鍛えることで筋力や筋肥大の基礎を築きやすいからです。一方で、経験を積んだ上級者は分割法を用いることで、各部位に対してより集中的な刺激を与えることが可能です。
全身法 vs. 分割法の特徴
では、まず「全身法」と「分割法」について、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
全身法とは?
全身法は、一度のトレーニングで全身の主要な筋肉群を鍛える方法です。スクワットやベンチプレス、デッドリフトといった複合的なエクササイズを中心に行い、短い時間で効率的に全身を鍛えることができます。
- メリット:
- 短いトレーニング時間で全身を鍛えられる
- 週に1〜3回程度の頻度でも成果が出やすい
- 初心者に最適で、バランスよく筋肉を発達させる
- デメリット:
- 一回のトレーニングで多くの筋肉を使うため、疲労が蓄積しやすい
- 集中的に鍛えたい筋肉がある場合には向かない
分割法とは?
分割法は、トレーニング日を複数に分け、特定の筋肉群に焦点を当てて鍛える方法です。例えば、「月曜日は胸と肩、火曜日は背中、金曜日は脚」といった形で、トレーニング日ごとに部位を分けて行います。
- メリット:
- 各部位に対してより集中的なトレーニングができる
- 上級者向けで、特定の筋肉を重点的に鍛えることが可能
- 筋肉の疲労を分散できるため、より高重量や高ボリュームのトレーニングがしやすい
- デメリット:
- トレーニングの頻度が高く、時間が必要
- 筋肉の成長が遅れやすい初心者には不向き
科学的根拠に基づく比較
全身法と分割法のどちらが効果的かという議論は、昔からフィットネストレーナーの間で続いてきました。しかし、最新の研究によると、全身法と分割法の効果は、一週間あたりの総ボリューム(重量×回数×セット数)が同等であれば、筋力向上や筋肥大の結果には大差がないということがわかっています。
メタ分析の結果
2024年に発表されたメタ分析「Efficacy of Split Versus Full-Body Resistance Training on Strength and Muscle Growth」では、複数の研究結果を統合して全身法と分割法の効果を比較しています。その結果として、**「1週間あたりのトレーニングボリュームが同じであれば、全身法も分割法も効果は同じ」**という結論に至っています。
つまり、トレーニングの効果は、方法そのものよりも、総ボリュームの量に依存するということです。
ボリュームとは?
ここでいう「ボリューム」とは、重量、回数、セット数の掛け合わせを指します。例えば、40kgのバーベルを12回、5セット行った場合、ボリュームは「40kg × 12回 × 5セット = 2,400」と計算されます。このボリュームを増やせば増やすほど、筋力や筋肥大の効果が高まるということが示唆されています。
全身法と分割法、どちらを選ぶべきか?
では、実際にどちらの方法を選ぶべきか?これはあなたのトレーニング頻度や目標、経験レベルによって変わります。
初心者の場合
例えば、週に1〜2回程度しかトレーニング時間を確保できない場合、全身法を選ぶことをお勧めします。なぜなら、限られた時間で全身をバランスよく鍛えることができ、各筋肉群に適切な頻度で刺激を与えることができるからです。
逆に分割法を取り入れてしまうと、次に同じ部位を鍛えるまでに時間が空いてしまい、筋肉の成長が停滞する可能性があります。
上級者の場合
一方で、トレーニングに慣れてきて、週に3〜5回の頻度でトレーニングができる上級者には、分割法を取り入れることで、各筋肉に対してより集中的な刺激を与えることができるでしょう。
ただし、分割法を取り入れる場合でも、あまり細かく分割しすぎないことが重要です。例えば、胸と背中の日、脚と肩の日といった形で2〜3分割にすることで、トレーニングボリュームを効果的に稼ぐことができます。
トレーニングプランの例
以下は、全身法と分割法でのトレーニングボリュームの例です。どちらも1週間あたりの総ボリュームを同等に設定しています。
全身法 | 分割法 |
---|---|
DAY 1 | DAY 1 脚の日 |
スクワット (2,000) | スクワット (2,000) |
ベンチプレス (1,500) | レッグプレス (2,000) |
ラットプルダウン (1,200) | レッグカール (1,000) |
合計: 4,700 | 合計: 5,000 |
DAY 2 | DAY 2 胸の日 |
ベンチプレス (1,500) | ベンチプレス (1,500) |
シーテッドロウ (1,200) | ダンベルプレス (1,500) |
スクワット (2,000) | フライ (1,200) |
合計: 4,700 | 合計: 4,200 |
トータルボリューム: 14,100 | トータルボリューム: 14,100 |
このように、全身法と分割法のどちらを選んでも、総ボリュームが同じであれば、筋力や筋肥大に与える効果は変わりません。
低重量トレーニングの落とし穴:総ボリュームが大きくても効果がない場合
総ボリュームがトレーニングの成果に大きく影響することは、既に述べましたが、ここで注意しなければならないのは、重量が低すぎると総ボリュームが大きくても効果が期待できないという点です。
例えば、重量があまりにも軽すぎると、たとえ多くの回数やセットをこなしてボリュームが増えても、筋肉への刺激が不十分になり、筋力や筋肥大の効果が低くなります。トレーニングの目標が筋力アップや筋肥大である場合、適切な負荷をかけることが不可欠です。
低重量の問題点
- 筋肉に十分な刺激が伝わらない:軽すぎる重量では筋繊維が十分に活性化されず、結果として筋肉の成長や強化が制限されてしまいます。筋繊維が効果的に働くためには、ある程度の負荷を与える必要があります。
- 疲労感だけが蓄積する:低重量で高回数を行うと、筋肉の疲労感は出ますが、十分な成長刺激が与えられないまま終わってしまうことがあります。そのため、結果的にトレーニングの効率が悪くなります。
- 成長の停滞:長期間にわたって低重量のトレーニングばかりを行うと、筋肉がその負荷に慣れてしまい、成長が停滞することがよくあります。
適切な重量の目安
筋力トレーニングにおける適切な負荷は、1セットあたり6〜12回程度の反復回数で限界に達する重量が推奨されています。これにより、筋肉は効果的に刺激され、筋肥大や筋力向上のための適切な条件が整います。
最後に
今回は「全身法 vs. 分割法」というテーマで、どちらが効果的かについて解説してきました。繰り返しになりますが、最も重要なのは、トレーニングのやり方ではなく、総ボリュームです。そして、初心者の方には全身法をお勧めし、上級者の方には分割法を活用することで、それぞれの目標に最も適したトレーニングプランを構築できます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。トレーニングの世界は奥深く、常に新しい知見が得られています。ぜひ、ご自身の目標に合わせて最適な方法を選び、継続して頑張ってください!
次回もお楽しみに!
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