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どうも、神楽坂・江戸川橋・早稲田の貸切りパーソナルジム GAIN 代表で絶対ダイエット請負人の上地裕作です。
上地 裕作
- 神楽坂 江戸川橋パーソナルジムGAIN 代表
- JBBF 2018関東メンズフィジーク選手権 準優勝
- ベストボディ・ジャパン2017東京オープン大会 ミドルクラス グランプリ受賞
- 2024年 東京クラシックフィジーク 175cm以下級 準優勝
- 【男性版】日本を代表する人気メンズフィットネスモデル8人を紹介!にて紹介されました
- 資格 NSCA-CPT, NESTA-PFT, PHIピラティスインストラクター, キックボクシングプロライセンス
今回はトレーナーなら一度は考えるであろう独立について、深掘りしてお話ししてみようと思います。
動画バージョンはこちらよりご視聴ください。
パーソナルジム開業にあたってまずいくら用意すれば良いか
一言でパーソナルジムの開業といってもピンキリですし、立地によっても大きく違いが出てきてしまうため、本ブログでは東京の比較的都心地域(坪2万円程度)15坪にて開業する場合で統一してお話しします。
これまで雇用されていた人にとって、一国の主となることに夢や希望を抱いている方も少なくないでしょう。もちろん、熱意を持って取り組むことは絶対条件として必要ですが、気をつけておかなければならないこととして【お金】とも切っても切れない関係にあります。
どんな業界でも、店舗を構えたり事務所を構えたりする場合には必ず【初期費用】と【固定費用】そして【変動費用】その他【特別費用】や【撤退費用】なんてのも発生してきます。
初期費用
物件を取得する際にかかる費用として大きく
- 敷金[保証金]4ヶ月分=120万
- 礼金1ヶ月分=30万
- 仲介手数料=30万
- 前家賃2ヶ月分=60万
- 火災保険=2-3万
- 保証会社保証金 30万円
計 270〜280万円程度
最低限のマシン設置費用(組立費込み)
- スミスマシン 70万円程度
- ダンベル類 20万円程度
- その他小物 20万円程度
- その他雑費 20万円程度
計 130万円〜
内外装工事代(完全スケルトンの場合)
- 内装一坪あたりおおよそ40万円程度×15=600万円
- 外装 看板等 40万円程度
計 640万円(事務所仕様からの改装ならおよそ240万円程度)
集客ツール
- ホームページ 50万円(これくらいは最低かけたい)
- 予約ツール 年間契約で36万円
- 広告類 10万円程
計 96万円
合計 1146万円(事務所仕様からなら600万〜700万前後)
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固定費用
売上に関わらず必ずかかってくる費用
- 光熱費 4-5万
- 家賃 30万
- 予約ツール 3万
- ネット環境 0.5万
- 電話代 0.5万
- 広告費 任意
- 人件費 ???
- 社会保険負担分 オーナー含め社員総支給額の15%
変動費
売り上げに応じてかかってくる費用
- 雑費(プロテイン、水、洗濯代など) 4万円〜
- クレカ支払い手数料 売上の3%前後(年間にすると数十万〜)
- 委託費用(業務委託トレーナーの場合)
- 損害保険料 売上に応じて年間数万円
特別費用
毎月ではないが、一定時期にかかってくる費用
- 固定資産税
- 法人税(利益がなくても最低7万円)
- 消費税(簡易課税なら売上の5%)
- 研究費
- 交際費
- 会議費
- 物件の更新費用(賃料1ヶ月分)
さらに、経営不振に陥り店舗を撤退する場合もお金がかかります。
撤退費用
- 原状回復費(スケルトン戻しは高額になる)
- マシン処理費用 ほぼ無料で売却できることが多い。
- 短期解約違約金(契約期間内での短期解約は2ヶ月分抜かれる)
- 償却費(謎に敷金から1ヶ月控除される)
- 営業終了から明け渡しまでの空家賃1ヶ月分
これらを覚悟した上で、起業に臨まなければなりません。
パーソナルジムは初期費用を捻出した後すぐに売上は上がらないため、数ヶ月は単月赤字になることが普通です。したがって、開業後半年間は無収入でもキャッシュショートが起こらないぐらいの資金と、自分の生活費は確保しておいた方が良いでしょう。事務所仕様を改装するパターンであればおおよそ1200万程度は確保したいところです。
資金繰りについて
とはいっても、そんな大金持ってないしできないよという声が聞こえてきそうです。
はい、その通りでパーソナルジムを開業するほとんどの個人オーナーに1000万を用意することは簡単ではありません。では、どうするか….方法は大きく分けて3つあります。
1 金融公庫から融資をしてもらって開業
ビジネスをする上で資金は血液であり、投資なくして利益なし、リスク無くしてリターンなしは当然の帰結と言えます。まずはどんな形であれ資金がなければ何も始まらないので、まずは日本政策金融公庫から融資を受けるという方法を検討してみてはいかがでしょうか。詳しくはこちらのブログで解説されてますので参考にしてみてください。
いわゆる借金ですが、借金と聞いて拒絶反応を起こしていては経営者失格と言えます。むしろ、借金ができるということは一応信用があり、未来の所得の先取りができるという点で事業にレバレッジをかけることができると考えることができます。つまり、一瞬にして戦闘能力を爆上げできるということです。
考えてください。1000万円というお金をあなたは貯金できますか?できるとしても、何年後でしょうか。
正直、現役世代の一般労働者で1000万円を数年で用意するのはほぼ不可能なんです。仮に貯まったとしても保守的になり、秒でなくなるような使い方をしたくなくなる傾向にあるでしょう。また、貯めている間は自己に投資できないという最大のデメリットが生じます。金融機関から融資を受けるというやり方は、起業において当たり前と言っても過言ではありません。
また、個人的に感じるメリットとして借金は他人からも信頼を得やすいという点が挙げられます。借金をしてまで事業に賭けているという姿勢や、事業にしっかり投資していると収入を得やすい体制、組織になり、業務委託者やパートナーなどからの信頼を獲得できる点は魅力でしょう。逆に、投資をせず保守的に運営しているといつまで経っても会社の成長はありません。成長していない事業者や、リスクを負わない事業者と手を組みたいと思う事業者は当然現れず、必然的にビジネスチャンスを逃すことにもなります。
ただし、メリットだけでは当然ありません。デメリットとしては、利息をつけて返済しなければならないという点です。たまに勘違いしている人がいるのですが、借入元本は決して経費にはなりません。融資を受けた場合の返済原資、つまり返済に当てるための資金というのは[税引き後利益]から捻出することになります。
したがって、営業利益から法人税等を引かれた[純儲け]から返済していくことを忘れてはいけません。
2 他人に出資してもらって起業する
この方法はあまり現実的ではありませんが、一応可能性としては存在します。
詳しくは来月のブログ[パーソナルジム起業 会社を作る場合の注意点]でお話ししますが、メリットの反面デメリットも大きいのです。
つまり、オーナー(株主)がジムを所有し、あなたが代表取締役として会社を経営する、いわゆる[雇われ社長]というやつです。
メリットとしては、代表者になる方に経済的リスクがなく、事業成功を収めた際にはある程度の報酬が見込めるプランになります。出資を受けるということは、融資ではないので返済義務はありません。失敗リスクは全て株主が負います。これは、経営者としては最大のメリットと言えます。
一方デメリットとしては、代表取締役としての役目を果たすモチベーションが湧きづらい点にあります。『どうせ失敗しても俺の金じゃないし』という気持ちが多かれ少なかれ現れ始め、成功したって株主に利益を持っていかれるという気持ちになるんですね。人間というのはずるい生き物で、最小リスク最大リターンを無意識に求めます。
大会社ではこの形態が当たり前で、株主総会で選任されたプロの経営者がしっかり経営しますが、数店舗のパーソナルジム経営程度の規模でこの形態を取る意味はあまりありません。ましてやこの経営者は経営素人ですので、高い確率で内部に不穏な空気が立ち込めるでしょう。
また、経費の使い道についても自ずと制限や監視がかかることが多いでしょう。株主の意向を無視した半私的な散財などは許されず、経営者になる主要なメリットを失う点、この形態はあまりお勧めしません。
ただし例外として、
- 株主もあなた同様経営にコミットする場合
- この株主なくしては成り立たないビジネスモデルである場合
- 初めての起業で、自己の報酬より経営経験に魅力を感じている場合
- 社長の肩書きは欲しいが、実際は株主に経営を依存したい場合
- この事業を踏み台にしていずれは自分の会社で起業する場合
などは、一概にダメとも言えないでしょう。
3 他者とパートナーシップを組んで共同事業化する
私が最も優れていると思う形態が[他者と手を組んで共同事業として始める]です。
例えばAさんとBさんが手を組んでパーソナルジムを運営していくことで概ね合意ができれば、あとは[資金面]と[運営面]で役割を分担し、各々リスクとリターンを弾き出して始めれば、リスクも軽減でき、得意不得意の分野もお互いで補える関係になります。
この形態は、あくまでも対等な立場で契約を結ぶので、上記の雇われ社長のような問題は起きづらいと考えます。資金面をAさんが8割負担し、Bさんが2割負担、現場はBさんが行い、集客はAが行うなど、バリエーションはさまざまでしょう。
この形態のメリットとしては、資金は投資したいが現場のノウハウがないAさんと、資金はないが現場ノウハウがあるBさんでパーソナルジム経営を実現できる点です。また各々独立した事業主なので、経費の使い道についても制限はありません。
また、パーソナルジム開業をトレーナー兼経営者で始める方が多いと思いますが、これは考え直した方が良いでしょう。経営者とトレーナーは全く別の職域です。毎日疲れた身体で金銭管理から集客までしっかりこなせるわけがありません。パートナーシップを組み各々が一つの得意分野に集中して執行するからこそ、一つのパーソナルジムが成功できると考えます。
もちろん一人で全てやった場合と比べ一人当たりの利益は減りますが、最小限のリスクで効率よく成功へと導く最善の方法かと思います。
次回は[パーソナルジム起業 会社を作る場合の注意点]についてお話しいたします。
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