ゴルフの飛距離を伸ばすために、筋トレは必要? 不必要?
様々な声がありますが、下半身の筋肉と体幹、背筋を鍛えることで、正しい姿勢を保ち、スイングを安定させ、ヘッドスピードを上げることができます。それが、飛距離を伸ばすことに繋がります。
上地 裕作
- 神楽坂 江戸川橋パーソナルジムGAIN 代表
- JBBF 2018関東メンズフィジーク選手権 準優勝
- ベストボディ・ジャパン2017東京オープン大会 ミドルクラス グランプリ受賞
- 得意分野 ボディメイク、ダイエット
飛距離を伸ばすために必要な筋肉
前述した通り、飛距離を伸ばすためには下半身の筋肉と体幹、背筋が必要です。
まず下半身の筋肉は、ゴルフのスイングのときに必要不可欠です。なぜなら、スイングをする際、上半身はバックスイングからフィニッシュまで、かなり激しい動きをします。しかし、下半身はそれにつられることなく耐えなければなりません。ですので、下半身の筋力を鍛えることによって下半身が安定し、速いスイングか可能になります。
次に体幹は、身体のブレを防ぐのに必要不可欠です。ゴルフのスイングは体幹を軸に回転するため、軸がずれてしまうとヘッドスピードが遅くなってしまいます。そのため、体幹を鍛えることで、軸が安定し、速く回転することができるため、ヘッドスピードも速くなります。
最後に背筋がないと正しい姿勢が保てず、軸が曲がってしまいます。このことにより、やはり回転ができず、ヘッドスピードが落ちてしまいます。背筋を鍛えることで、上半身がしっかりと回転し、強いショットを打てるようになります。
ここまでの説明ですと、「えっ? 上半身の筋トレはいいの?」と思われるかもしれません。
スイングするときには肘の曲げ伸ばしをするために上腕三頭筋と使いますし、球筋をコントロールし、球を遠くに飛ばすためには前腕、手首の筋力が必要です。
上半身の筋力も多少は必要ですが、「柔らかさ」も同じくらい、いやそれ以上に重要となります。
プロゴルファーは肩回りが柔らかいですが、女性は特に柔らかいですよね?
男女の身体の構造の違いはもちろんありますが、肩回りが柔らかいほど深い「捻転」が作りやすくなります。
「捻転」とは膝から下を動かさず、上半身のみを動かしてひねりを加えることをいいます。
ですから、膝から下を動かさないようにするためにも下半身の筋力と体幹、背筋が必要になります。そして、それらを鍛えることで正しい姿勢を保ち、スイングを安定させ、ヘッドスピードを上げることで飛距離を伸ばすことができます。
これからそれらを鍛えるための筋トレや、身体を柔らかくするためのストレッチの方法をご紹介しますが、どちらも必ず息を止めず、ゆっくりと呼吸をしながら行いましょう。
足・腰・お尻を一気に鍛えよう!
今回は、家で簡単にできる筋トレ計4種類をご紹介します。
必要なものは椅子だけ。
他のトレーニング器具は一切必要がありませんので、手軽に行うことができます。
まずは足・腰・お尻を一度に鍛えることができる3種類の筋トレ方法をご紹介します。
ヒップリフト
ヒップリフトはお尻だけでなく、腹筋も背筋も同時に鍛えられます。
こちらは椅子も必要なく本当に簡単ですので、筋トレ初心者さんにおすすめです。
ちょっとした時間で行うことができますので、はじめての方はまずこちらから取り組んでみてはいかがでしょうか。
短時間の筋トレでも毎日続けることで、確かな効果に繋がりますよ。
①床に仰向けに寝る。手は腰の横に、手のひらを下にする。
②かかとをお尻に近づけるように膝を立てる。
③ゆっくり息を吐きながらお腹に力を入れ、腰を反らさないように意識して腰を上げる。そのとき、お腹から膝までが一直線になっていればOK 。この状態で1~30秒キープする。
④ゆっくり息を吸いながら腰を下げる。
⑤腰が地面につかないように再度腰を上げる。
いかがでしょうか? とても簡単ですよね? 最初は出来る範囲で無理せず行い、少しずつ回数や時間を増やしていきましょう。
⑤の「腰が地面につかないようにする」のがヒップリフトのコツです。また、膝にクッションを挟むことによって、さらに効果的になりますよ。
大殿筋を鍛えるだけでなく、腹横筋や脊柱起立筋も鍛えることができるため、姿勢が良くなり腰痛の予防にも効果が期待できます。
椅子で簡単2種類のスクワット
次に、ヒップリフトよりも体制が難しい、スクワット(2種類)をご紹介します。
難しいとはいっても、どちらも椅子を使った方法でやりやすくなっていりますので安心してください。
ノーマルスクワット
まずは基本となるスクワットから。
スクワットは、ただしゃがむだけでは効果がありません。
正しいスクワットは、『おじぎをするようにしゃがむ動作』と真逆の動作です。
前のめりになるのではなく上半身を起こし、お尻を突き出すようにして膝を前に出さないことを意識しましょう。
また、膝や脚の負担を減らすため、深くお尻を下げ過ぎないように椅子を使います。
動く椅子は危険ですので、必ず安定している椅子を使ってくださいね。
では、実際にスクワットを行ってみましょう。
①足を肩幅に開き、椅子の前に立つ。つま先はまっすぐ、又は少し外側に向ける。
②手は胸の前で両肘を曲げてクロスさせる(左手は右の上腕、右手は左の上腕に軽くつける)
③膝が前に出ないように、かかとが浮かないように、背中が曲がらないように意識しながら腰をゆっくりと落とし、お尻が『ちょん』と椅子についたらゆっくりともとの姿勢に戻る。
※鏡を見ながらするとわかりやすい
どうでしょうか? そこまで難しくはありませんよね? まずは無理せず5回から。できるようになったら徐々に回数を増やしていきましょう。回数をたくさんこなせばいい、というわけでもないので、自分のできる範囲で取り組みましょう。
このスクワットを行うことにより、特に下半身の大きな筋肉(大腿四頭筋、ハムストリングス、大殿筋、内転筋 など)を一度に鍛えることができます。
もちろん、体幹の筋肉(腹横筋や腸腰筋)にも力が入るので、同時に鍛えることができ、毎日継続することで、①基礎代謝が上がる、②太りにくくなる、③怪我の防止に繋がる、などの効果も期待できます。
さらに、スクワットは同時に背筋を鍛えることもできます。この場合鍛えられるのは先ほどと同じ、背筋の中でも「脊柱起立筋」という筋肉になります。スクワットをする際、背中はまっすぐな状態を保たなければならないため、背中の筋肉にも刺激があります。
ブルガリアンスクワット
それからもう一つ椅子を使ったスクワットをご紹介します。
こちらはノーマルスクワットよりも難しく、より負荷がかかるため、最初は難しいかもしれません。
ノーマルスクワットが正しいフォームでスムーズに行え、ある程度の回数がこなせるようになってから行うことをおすすめします。
①椅子の前に立ち、片足の甲を椅子に乗せる。
②手は頭の後ろで組む。胸を張って背筋を伸ばす。
③そのまま膝が前に出ないように、かかとが浮かないように、背中が曲がらないように意識しながら徐々に腰を落とし、前足の太ももが地面と平行になったらゆっくりと戻る。
※ノーマルスクワットと同じように、お尻を後ろに引くイメージで行うと良い
④逆の足も同じように行う。
この方法でスクワットを行うと、右か左、どちらか苦手な方が見つかるかもしれません。
その場合は苦手な方から行いましょう。
こちらもできる範囲で少しの回数から無理せず行いましょう。
また、さらに負荷をかけたい! という方は膝を曲げた状態で2秒キープしてみてください
前腕の筋トレ
次に、インパクトの際に必要な前腕の筋トレを行いましょう。
この筋トレ方法には、道具は必要ありません。
①どちらか片方の腕を地面と平行になるように前に伸ばす。
②手首を下に向ける
③その状態で強く拳をにぎり、強く拳を開く。
④逆の手も同様に行う。
⑤①に戻り、今度は手首を上に向けて③を行う。
この筋トレを行い、適度に握力が上がることで、腕全体に無駄な力が入らなくなり、スイングスピードが上がります。さらに、クラブフェースをコントロールする力がつき、打球の方向性が安定します。そして、飛距離を伸ばすことに繋がります。
腰や肩を柔らかくすることも大事
ゴルフの飛距離を伸ばすためには、下半身や体幹、背筋、握力も必要ですが、身体の柔軟性も大事です。
特に冬の寒い時期は、朝からゴルフ……といっても身体が硬い状態ですよね。安全にゴルフを楽しむためにも、飛距離を伸ばしてスコアアップを目指すためにも、事前にしっかりとストレッチを行いましょう。
そこで、筋トレだけでなく、簡単にできるストレッチも一緒にご紹介します。
ゴルフの前日や当日に行うのはもちろん、日々筋トレとストレッチを一緒に行うことで、健康な身体を作り、安全なプレーとスコアアップに繋げていきましょう。
肩甲骨のストレッチ その1
肩甲骨が柔らかくなると、可動域が広がり、より大きな動きができるようになるので、スイングが変わります。さらに、肩の怪我防止にも繋がります。
①両腕を真横に広げ、手のひらを軽く起こす。
②その状態で肩甲骨を意識し、小さくくるくる前まわしする。後ろ回しもする。
③今度は大きく回す。肩甲骨を使って回すのをイメージする。
肩甲骨のストレッチ その2
①タオルを持って後ろで手を組む
②そのまま前に体を倒す。
動作は簡単ですが、身体が硬い人にはかなりつらいです。
無理せず行いましょう。
腹斜筋のストレッチ
腹斜筋はお腹の側面にある、くびれを作る筋肉です。
この筋肉が柔らかくなることで、上半身の捻転がスムーズに行えるようになるため、スイングのスピードやパワーアップに繋がります。
①両手を真上に上げ、指を組む。
②そのままゆっくりと右へ倒す。
③ゆっくりと戻り、今度は左へ倒す。
大殿筋・ハムストリングスのストレッチ
大殿筋やハムストリングスを柔らかくすることにより、筋肉痛や張りを予防し、飛距離のアップにも効果があります。怪我の防止にも繋がりますね。
①足を軽く開く。
②息を吐きながら上半身を前に倒す。
こちらも、硬い人にはつらい動作かもしれません。
最初は無理せず行いましょう。
他にも、首や足首を回すことも大切です。
日々ストレッチを行い、怪我のしにくい柔軟な身体を作りましょう。
まとめ
ゴルフの飛距離を伸ばすために必要な筋肉は、
・下半身の筋肉
・体幹
・背筋
・前腕、手首の筋力
が必要です。
さらに体の柔軟性を高めると、より安全にプレーでき、スコアアップに繋がります。
これらを鍛えるための筋トレやストレッチは、自宅で簡単に行うことができます。
最初は少しの回数から、無理せず続けていきましょう。
さらに専門的な筋トレや、機械を使ったトレーニングをご希望の方は、ぜひ一度GAINへお越しください。
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