どうも、神楽坂・江戸川橋・早稲田の貸切りパーソナルジム GAIN 代表で絶対ダイエット請負人の上地裕作です。
上地 裕作
- 神楽坂 江戸川橋パーソナルジムGAIN 代表
- JBBF 2018関東メンズフィジーク選手権 準優勝
- ベストボディ・ジャパン2017東京オープン大会 ミドルクラス グランプリ受賞
- 2024年 東京クラシックフィジーク 175cm以下級 準優勝
- 【男性版】日本を代表する人気メンズフィットネスモデル8人を紹介!にて紹介されました
- 資格 NSCA-CPT, NESTA-PFT, PHIピラティスインストラクター, キックボクシングプロライセンス
今回は2021年に発表されたアリエル大学のレビュー論文に基づき、テストステロンの減少に影響を及ぼすとされる行動や生活習慣について解説します。テストステロンは男性ホルモンの一種で、筋肉の発達や体脂肪の燃焼、生殖機能やメンタル面の健康にも大きく関わります。テストステロン分泌が減少すると、筋力低下や肥満、活力の低下が生じやすくなります。以下に、テストステロン濃度を低下させるリスクがある7つの行動とその対策を詳しく紹介します。
1. 亜鉛の不足
体づくりに不可欠なステップです。このアプローチを取り入れることで、理想的な体型と健康的な生活を手に入れましょう。
亜鉛は人体に必須なミネラルで、テストステロンの合成に重要な役割を果たします。抗酸化作用を持ち、免疫機能の向上や炎症の軽減、精子の形成にも関与します。
1996年のウェイン州立大学の研究では、40名の男性を対象に、体内の亜鉛濃度がテストステロン濃度にどのような影響を及ぼすかを調査しました。その結果、亜鉛濃度が高いほどテストステロン濃度も高いという関連性が確認されました。特に運動をしている人は汗と共に亜鉛が失われやすいため、不足しがちです。
一般的な推奨摂取量は男性で11mg、女性で8mgです。普段の食事で卵、赤身肉、海藻類をしっかり摂取している場合は、サプリメントを取らなくても十分に補給できますが、サプリメントを多量に摂取する場合には注意が必要です。亜鉛の過剰摂取は吐き気や嘔吐、食欲不振、下痢、頭痛などの副作用を引き起こす可能性があるため、サプリメントで補う場合でも量を調整し、上限摂取量を守ることが大切です。
2. 睡眠不足
睡眠不足はテストステロンの減少を促進し、筋肉の合成に悪影響を及ぼします。特に、コルチゾールと呼ばれるストレスホルモンが増加しやすくなりますが、このコルチゾールはテストステロンと同じ「栄養素」を使うため、これが増えるとテストステロンの生産が抑制されてしまいます。
2020年のヴィクトリア大学の研究では、8時間の睡眠を取った場合と4時間の睡眠を取った場合で、筋タンパク質合成がどのように異なるかを調査しました。その結果、4時間睡眠のグループでは19%筋タンパク質合成が減少しており、睡眠不足が筋肉の発達を阻害することがわかっています。
また、2018年のケーディン大学の研究によると、筋力にも悪影響が出ることが確認され、特に大きな筋肉ほど睡眠不足の影響を受けやすいとされています。最適な睡眠時間は7~8時間が推奨されていますが、個人差もあり、トレーニング量や頻度に応じた睡眠時間を確保することが重要です。自分の睡眠時間と体調を客観的に把握するためには、フィットネストラッカーなどを使用して体調をチェックする方法も有効です。
3. マグネシウムの不足
マグネシウムは酵素の活性化に必要なミネラルであり、筋肉の収縮や神経伝達にも関わるため、テストステロン濃度の維持や筋肉の発達にも重要です。体内のマグネシウムは約20~30g存在し、そのうち約30%が筋肉に含まれています。主に筋肉の収縮、神経情報の伝達、血圧の調整、タンパク質の合成、血糖コントロールなど多岐にわたる機能をサポートし、テストステロン濃度を高く維持する役割を果たします。
マグネシウムは一般的な食事からも十分に摂取可能ですが、不足しやすい栄養素でもあるため、食材をバランスよく摂取することが推奨されます。男性の1日の必要摂取量は350~370mg、女性では270~290mgとされ、海藻類や魚介類などに多く含まれています。また、昆布やわかめなどの低カロリー食品にも含まれるため、減量中でも不足しにくい点が特徴です。
4. ビタミンDの不足
ビタミンDは紫外線(UVB)を浴びることで皮膚で生成されるもので、免疫機能やテストステロンの分泌に重要な役割を持っています。特に日照時間の少ない冬季や室内で働く人にとってはビタミンDの不足が問題となります。
イギリス政府のガイドラインでは、健康な成人が1日2000IUのビタミンDを摂取することが推奨されており、屋内で長時間過ごす人や日光に当たる機会が少ない場合はサプリメントによる摂取が推奨されます。ビタミンD濃度が高いとテストステロン濃度も上昇し、筋肉の分解を抑制する効果もあるとされるため、運動や筋トレを行う人にとってビタミンDは欠かせない成分です。ビタミンDの過剰摂取を避けるためにはサプリメントと日光を組み合わせて摂取し、冬季には適量のサプリメントで補うことが推奨されます。
5. 不健康な体脂肪率
肥満はテストステロンの減少を引き起こす主要な原因の一つです。体脂肪が増加すると脂肪細胞がレプチンと呼ばれるホルモンを分泌し、これがテストステロンの減少に繋がります。
2020年のマイアミ大学の研究では、男性1193人を対象に、テストステロンの量と脂肪細胞の関連性を調査した結果、脂肪細胞が増加するとテストステロンが減少することが確認されました。また、肥満はメタボリックシンドロームの一因とされ、生殖機能にも悪影響を及ぼします。男性のウエストが85cm以上、女性では90cm以上の場合はホルモンバランスが乱れやすく、精子の質や量の低下も懸念されます。適切な体脂肪率を維持し、過剰な脂肪を避けることでテストステロンの減少を防ぎ、生殖機能の健康も維持することができます。
6. タンパク質の不足
タンパク質は筋肉を形成する重要な成分であり、テストステロンの維持や生殖機能にも大きな影響を与えます。2020年のニューイングランド大学の研究では、タンパク質摂取量が低いとテストステロン濃度が低下し、精巣のサイズや精子の数にも影響が出ることが確認されました。健康維持のためには、成人男性では1日65g、成人女性では1日50gのタンパク質が推奨されています。
筋肉量の維持や筋力増強を目的とする場合には、体重1kgあたり1.6gのタンパク質を摂取することが推奨され、競技レベルでトレーニングを行う場合には、1.7~2.2gが必要とされています。さらにダイエット中のタンパク質不足は筋肉量の減少を引き起こすため、カロリー制限中でもしっかりと摂取することが重要です。
7. カロリー制限
過度なカロリー制限はテストステロン濃度の大幅な減少を招きます。2010年のワシントン大学の研究では、1日1350~2415キロカロリーの低カロリー食を7年間続けたグループでテストステロンが31%減少していたことが確認されています。
最近では糖質制限ダイエットが流行していますが、糖質を制限することでもテストステロンの減少が懸念されます。カロリー制限や低炭水化物食は、ストレスホルモンであるコルチゾールの増加を引き起こし、コルチゾールがテストステロンの生成に必要な栄養素を奪うことで、テストステロン濃度が減少してしまいます。日常的な活力や筋肉の発達を維持するためには、バランスの取れた炭水化物摂取と適切なカロリー摂取が必要です。
結論
アリエル大学の研究から、テストステロンの減少を防ぐためには、亜鉛やビタミンD、マグネシウムの適切な摂取、十分な睡眠、適切な体脂肪率の維持、バランスの取れたカロリー摂取とタンパク質摂取が重要であることがわかりました。これらの要素を意識し、テストステロンの減少を防ぐ生活習慣を整えることで、日々の活力を保ちながら、健康な体づくりを目指しましょう。
コメント